日本クリニクラウン協会へ印税を寄付しました
病気の治療のため、長期入院をしている子どもたちは、子どもの成長に大切な出会いや遊ぶことが制限され、自分の感情をうまく表現することができなくなったり、周囲の大人の顔色をうかがうことがあったりします。日本クリニクラウン協会では小児病棟へ定期的にクリニクラウン(臨床道化師)を派遣し、入院中の子どもたちが、子ども本来のチカラを取り戻し笑顔になれる環境をつくるために活動をされています。
また、東日本大震災の災害援助として、2011年4月より、東北大学病院(宮城県仙台市)、宮城県立こども病院(宮城県仙台市)、茨城県立こども病院(茨城県水戸市)に月1回クリニクラウンの特別派遣を実施しています。沿岸部の病院の支援として、岩手県や福島県の病院にもクリニクラウンの訪問を実施しており、今年度は、計40回のクリニクラウンの特別派遣を実施されています。今回、印税を子どもたちの支援へと使っていただきたいと思い、入院中の子どもたちにこども時間を届けるクリニクラウンの活動に共感し、日本クリニクラウン協会に託すことを決めました。今回、寄付にあたり事務局長の塚原成幸さんにお話しを伺いました。
— 震災後被災地で活動されたときに、震災前と比べて何か子供たちや受け入れ態勢、活動要請などに変化はありましたか?
通常、舞台でコメディー作品を演じることが道化師の役目と思われていますが、私は長年、道化師が果たすべき役割は「生きることに困難を抱えた人々が笑顔になれる環境づくりに寄与すること」という信念を持って日本各地の災害支援を行ってきました。特に長く関わってきたのは、1995年に発生した阪神・淡路大震災での神戸市長田区野田北部地区における復興支援です。
震災は地震による家屋の倒壊、様々なインフラの断絶などの他に、多くの方々が犠牲になったり、職を失ったり、コミュニティーが分断されるなど、永続的に生活環境が脅かされる特徴があります。
こうした中で、人と人の絆を深め、復興の足がかりになるのが、互いの信頼感を高める確かなコミュニケーションであり、笑いやユーモアの可能性だと思っています。
今までの経験から以上のようなことを強く感じてきましたので、3・11が発生した直後から、この災害が及ぼす甚大な被害と復興には数十年の月日が必要なことを直感で感じました。その認識を元に、私たちクリニクラウンができることは何かについて検討し、昨年4月より宮城県の小児医療施設を皮切りに茨城、岩手、福島と東日本大震災特別派遣を行っています。
震災によって受け入れ態勢が変化したことはありませんが、クリニクラウンに対する活動要請は迅速かつ強いものでした。被災地での支援活動は、何よりも被災した方々の期待と要望に合致しているかが大切ですが、震災が発生した1週間後には「実現の方法はわからないが、子どもたちの不安や恐怖は日増しに高まるばかりです、できることなら是非、訪問してもらいたい」というメールが協会に届きました。
— 震災を経て、心境に何か変化はありましたか?
この18年間、災害支援をライフワークの一つとして取り組んできたので、心境の変化は特にありませんでしたが、被害の大きさと自然の脅威に対してただ、ただ茫然としたのは事実です。そして、今自分に出来ることは何か、自問自答を続けています。
— 今後の活動へ対する思いもお聞かせください
昨日も福島県の市民病院を訪問してきました。今までクリニクラウンとして現地を訪問しながら感じるのは、被災地で暮らす人々は(入院している子どもも、家族もスタッフも)本当に良く笑うということです。
そして、一口に笑うと言っても通常の生活で私たちが出会う笑いと、笑いの質がぜんぜん違う印象があります。
日常生活で出会う笑いは首から上、特に顔を中心に笑いが起こりますが、被災地で出会う笑いは足元から振動する笑いとでもいいますか、体全体で笑う笑いのように映ります。
もしかすると、人間は困難な状況であればこそ、なおのこと笑いや笑顔が必要な生きものなのではないでしょうか?つまり、生きるために笑うのが人間なのだと教えられているように思います。
私たちができることは、本当にわずかなことです。ただ、少しでも長く関心を持ち、サポートを続けていきたいと考えています。
子どもたちや、震災と向き合い活動を続けている日本クリニクラウン協会。大きな額ではありませんが「コミュニケーションHACKS!」の印税を子どもたちの支援に使っていただきたいと改めて思いました。
日本クリニクラウン協会
http://www.cliniclowns.jp/
一般社団法人Think the Earth「忘れない基金」に印税を寄付しました
今回「コミュニケーションHACKS!」の印税を寄付するにあたり、一般社団法人Think the Earthが運営する「忘れない基金」にお願いすることになりました。プロデューサーの上田壮一さんにお話を伺いました。
— 震災発生直後からThink the Earthでは基金を運営していました
震災直後、自分のできることをという気持ちで義援金を送りたいと考える人が多く、実際に「日本赤十字社」などに多くの義援金が集まりました。ただ、その中でも「本当に全部そこに渡して大丈夫なの?」という声や「実際に自分の渡した義援金がどう使われるのか知りたい」という人も多かったんですよね。Think the Earth、以前より寄付先の候補をホームページで紹介していたんです。ここの団体は信頼できるという紹介ですね。でも「託したい」という人が多くだったら信頼して預けてもらおうということになりました。
— それはいつ頃のことですか?
3月15日ですね。「Think the Earth基金」を立ち上げ、みなさんからのお金を預かるようになりました。やはり、信頼できるところに託したいという気持ちを多くの人が持っていたようで、特に最初は大きな宣伝もしていませんでしたが、Twitterなどで基金のことが拡散し最初の2週間で2000万円を超える金額が集まりました。ずっと貯めるのではなく、毎月その時に必要な団体へ寄付していたのも、信頼をいただけた理由かもしれません。
— 口コミで信頼が拡散していったのが興味深いですね
やはり、テレビが紹介しているものをそのまま信用しない人が増えたんでしょうね。気になる人は調べる。そこで「あれ? この義援金は何に使われているんだ?」と疑問を持つ人も多い。そこで「ここだと大丈夫だ」と見つけてくれた人がどんどん広めていってくれました。
現在は「Think the Earth基金」は終了し、「忘れない基金」という新しい形で引き続き震災の復興支援を行っています。これは間もなく震災発生から1年が過ぎますが「被災者」「自分も支援ができるということ」そして「自分が被災者になる可能性があること」を忘れないように、という気持ちを込めて「忘れない基金」と名付けています。
— 息の長い支援を今後も続けていくんですね
続けていくことで、現地の人や活動団体とつながっていけるのもうれしいですね。今回預かった寄付も大切に使わせてもらいます。ありがとうございました。
どこに寄付すればいいだろう? といろいろな人に相談すると「Think the Earthに任せるのが一番いい」と言われることが多く、今回お願いすることになりました。お願いすることで、顔の見える支援が実感することができると思います。その気持ちがソーシャルメディアで広がっていったというお話も聞けてうれしかったです。基金の活動は細かく報告してくれるそうなので、今後の「忘れない基金」に要注目です。
上田壮一
一般社団法人Think the Earth プロデューサー。
広告代理店のプランナー、フリーの映像ディレクター等を経て2001年に非営利団体「Think the Earth」を設立。宇宙と地球とIT、サステナビリティへの強い関心をベースに活動中。主な仕事に地球時計wn-1、携帯アプリ「live earth」、書籍『1秒の世界』、プラネタリウム映像「いきものがたり」などがある。活動を通じて地球的視野で考え行動する人を世界中に育て、増やすことを目指す。好きな動物はラクダ。
Think the Earth (http://www.thinktheearth.net/jp/)
『コミュニケーションHACKS!人生・ビジネスを10倍快適にするソーシャルメディア徹底活用術』の印税は全額震災復興と子どもの支援に寄付します
前作『ユーマネー』の読者の方にも今回の震災で被災した方がいました。その方はシングルマザーで娘さんがいるのですが、被災地の辛い光景に苦しんでいたといいます。その後、娘さんは病気が見つかり現在入院し治療中です。
震災と病気が直接関係しているわけではないと思いますが、地震や津波の被害を目の当たりにしているところに、病気が発覚するという状況を想像するだけで胸が痛くなりました。
そして、こういった状況の人はほかにもたくさんいるんだろうと思いました。
セミナーなどで「まずは自分の半径5メートルの人をたちを幸せにしたい」と話すこともあるのですが、大きなことは言えないけれど、身近な人たちの少しでも手助けになれば……と思っています。
そこで、微々たるものですが、今回の印税は全額、寄付することにいたしました。
読者の方の話がきっかけになっていることもあり、被災地支援と子どものサポートができればいいと、どういう形での支援がいいか、原稿を書いている間も考えました(原稿執筆中の8月上旬に、その子は二度目の手術をしています)。
WorldShiftでも親交のあるThink the Earthプロジェクトの上田壮一さんは被災地支援を震災直後からされています。ただ義援金を集めるという方法ではなく「そのときに、一番必要な支援を行う」姿勢に共感し、印税をThink the Earth基金に託すことにしました。
さらに、子供へのケアという部分も大切にしたかったため、日本クリニクラウン協会にも寄付をすることにしました。
テレビなどで活動を知っている人もいるかもしれませんが、ここでは、病気と向き合う子供たちを笑顔にしようと病室に臨床道化師(クリニクラウン)を派遣する活動をされています。
今回、日本クリニクラウン協会に寄付をすることについて、事務局長の塚原成幸さんと話をすることができたのですが、塚原さんがおっしゃった言葉が印象的でした。
「治療中の子供たちにとって、向き合う人はすべて怖い人になっている。子供たちはNOということができないんです。治療を受け入れるしかないので、痛い注射も我慢しなければいけない。僕たちクリニクラウンと触れ合うことで、人と向き合う心を思い出してほしいと思っています」
想像していたよりもシリアスな現場に向き合っている彼らにも、小さなことしかできませんが、支援しようと思いました。
中村祐介
初出
- ご報告★本を出版しました。(中村祐介のユーマネーダイアリーより)
支援先
- Think the Earthプロジェクト(http://www.thinktheearth.net/jp/)
- 日本クリニクラウン協会(http://www.cliniclowns.jp/)